vol.01
パインから知る、西表島のくらし。

新 博孝 さん
西表島出身・在住/パイン農家歴20年
その他の仕事
民宿なみ荘 三代目、サトウキビ、シークワーサー
休日の過ごし方
釣り、子どもの野球観戦、遠方の娘に会いに行く
パインは、島を代表する特産品のひとつ。その甘くみずみずしい味わいの裏には、西表島ならではの自然環境と、それに寄り添いながら栽培を続ける農家さんの営みがありました。今回は西表島のパイン農家・新さんにパインづくりについてお話しを伺いました。
おいしいパインができるまで

パインは、植え付けから収穫まで約2年という長い年月をかけて育てられます。その後は同じ株から2~3年にわたって収穫することができます。
1年のおおまかなサイクルとしては、9月から10月に植え付けを行い、2月頃に花が咲き、5月頃には畑にネットをかぶせ、6月から8月にかけて収穫の最盛期を迎えます。
その間、欠かせないのが草取りです。パインへより多くの栄養を届けるため、畑の草取りは1年を通して続きます。また、草以上に悩まされることもあります。それは、ネズミやカラス、シロハラクイナ、コウモリなどの生きものたち。甘く実ったパインを目当てに畑へやって来るそうです。実を守るため、畑にはネットをかけていますが、風でめくれてしまったところから食べられてしまうこともあるのだとか。

「つつかれた実は売れないので、自分で食べます。」そう話す新さんですが、畑で丸かじりするパインは格別のおいしさとのこと。少し困りながらも、どこか楽しそうに話す姿からは、西表島の自然とともに営まれるパインづくりの様子が伝わってきました。
苦労していること
一方で、自然相手の仕事には苦労もあります。特に台風は農家にとって大きな脅威です。収穫や出荷の最盛期である6月から8月は、ちょうど台風シーズンと重なる時期でもあります。出荷直前のパインが株ごと強風でポキッと折れてしまったときは、大きなショックを受けたといいます。また、船が長期間欠航すると発送そのものができなくなるなど、離島ならではの悩みも抱えています。
さらに近年は、梱包資材や輸送費の高騰も大きな問題の一つです。できるだけ価格を維持したいものの、やむを得ず値上げをせ ざるを得ない状況に心苦しさを感じているそうです。
大切にしていること

新さんが最も大切にしているのは収穫後の出荷作業だと言います。「植え付けから収穫までの2年間の集大成。少しでも傷つけたり扱い方を間違えたりすると味が落ちてしまうので、最後まで丁寧に扱うよう心掛けています。」

印象的だったと新さんが話すのは、お客さまから聞いたあるエピソード。パインの箱からあまりにも良い香りがしたため、届いて早々、その場にいた配達員さんと一緒に玄関先で箱を開けたのだとか。その話をお客さまから聞いたときは、とてもうれしかったと振り返ります。丹精込 めて育てたパインが、遠く離れた場所で人を笑顔にしている。そんな瞬間が、新さんにとって何よりの喜びなのかもしれませんね。

おすすめの食べ方 ― 奥様 洋子さんに聞きました!

パインのスムージー
冷凍したパイン、ヨーグルト、はちみつをミキサーにかけるだけ。お好みでソフトクリームやアイスクリームをのっけたら、暑い日にぴったり、ご褒美ドリンクの完成です。
民宿なみ荘

西表島・大原地区で50年以上続く家族経営の民宿。島の人も観光で訪れた人も、思わず「ゆんたく」したくなる、あたたかな雰囲気が魅力です。
Instagram:@namisouiriomote








