石垣島での攻防戦 外来カエル類対策
更新日:7月26日
西表財団が石垣でも活動していることをご存知でしたか?
西表財団では、環境省から外来カエル類対策検討業務を受託しており、西表島だけでなく、石垣島在住の方々とも調査を行っています。
石垣島の生態系と、西表島を含む周辺離島のために、石垣島で日夜頑張っている人たちがいることも知っていただきたいと思い、5月のある日、石垣島の港湾地区で行った調査をレポートします。
そのまえに・・・
石垣島では、オオヒキガエルとシロアゴガエルという外来種のカエルが生息しています。
どちらも特定外来生物に指定されています。


オオヒキガエルは南米原産。サトウキビの害虫を食べさせるために、人間が意図的に導入したものですが、それ以外の在来種も食べてしまい、生態系に被害を与えてしまっています。また、毒を持っているため、オオヒキガエルを食べた動物が死んでしまうなど、捕食者への影響もあります。

シロアゴガエルは、東南アジアに広く分布していますが、沖縄県にいるのはフィリピン原産ということがDNAの研究からわかっています。吸盤が発達しており、どこにでも張り付いて移動できることから、今までいなかった場所に急に現れることもあり、拡散リスクの高い種です。
これらの外来カエル類が、もし西表島に入り、増えてしまったら、在来種の居場所を奪ってしまい、生態系が大きく変わってしまうおそれがあります。
そこで、石垣島から西表島に拡散しないように、石垣島では、港湾地域とその周辺の市街地で、オオヒキガエルとシロアゴガエルの捕獲をしています。
ある日の港湾調査 人工島のシロアゴガエル
港湾調査は、カエルたちが活発になる夜間に行います。懐中電灯を手に持ち、時々オオヒキガエルやシロアゴガエルの声を流し、カエルたちから声の返答があるかどうか確認しながら探していきます(コールバックと言われる調査手法)。
新港地区(石垣島のサザンゲートブリッジを渡った先の人工島)には、雨が多い日が続くと、広くて浅い水たまりができる場所があり、毎年、この場所でオオヒキガエルが数個体捕獲されています。
この日は石垣島の調査員2名と、西表財団の職員1名が調査をしました。
探していると、シロアゴガエルの声が小さく聞こえました。
すぐさま全員が反応します。
確実に場所を見つけるため、コールバック調査の手法でシロアゴガエルの音声を流します。
その音声に、シロアゴガエルが応えて鳴き、少しずつ距離を縮めていきます。
さらに音声を鳴らします。
シロアゴガエルの声が、とても近くから聞こえてくるように思っても、3人がそれぞれ違う地面の場所から聞こえたように感じ、それぞれ自分の思う場所に目を凝らし、角度を変えながら探します。
音声を流して、待って、鳴き返しを待って・・・を繰り返し、ついに「いた!!」
調査員の一人が鳴いているシロアゴガエルを見つけ、勢いよく、草ごと個体を押さえ込みました!
が、草の隙間から逃げてしまい、また水たまりの草むらの中に隠れてしまいました。
しばらく粘りましたが、この日は時間切れ。
カエルを1匹捕まえるなんて簡単そうに思えますが、地面は浅く広い水たまりで、草が一面に生えていて、地面は、踏むと沈み込む場所もあります。百戦錬磨の調査員でも、暗闇の中、小さなシロアゴガエルを足が沈み込む水たまりの草むらの中から探し出すのはとても難しいです。


人工島でシロアゴガエルが確認されたのは3年ぶりです。
後日、このような、音声による誘引をする装置を設置しました。シロアゴガエルの声を流すことで、おびき寄せる装置です。
音声スピーカーは、水桶とセットになっていますが、もともとオオヒキガエル用に設計されたもので、オオヒキガエルはこの水桶に入ると出てこられない構造になっています。
シロアゴガエルは、吸盤があるので脱出することはできますが、水桶内で卵を産んだり、日陰に留まったりしてくれれば、広い草むらの中にいる時よりも捕獲しやすくなります。
また、周囲の水たまりは、雨が降らない日が続くと干上がるので、そのようなタイミングで来てくれれば捕獲ができると考えています。


音声誘引装置設置の様子。暑い日でした!石垣調査員の皆さんが活躍しています。環境省の職員、西表財団の職員も一緒に設置しました。
オオヒキガエルの声とシロアゴガエルの声が交互に流れるようにしています。
*港湾地区での調査は、必要な許可申請を行ったうえで実施しています。許可なく侵入することのないようお願いします。
*環境省による拡散防止対策のほかに、石垣島の生態系のために石垣島内での捕獲を行っている石垣市の取り組みもあり、多くの方々がこの問題に取り組んでいます。







